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■水道工事の指定工事店とは？

水道水は、飲料水や洗面、お風呂、トイレなど日常生活のあらゆる場面で活用されており、私たちが安心して水 道水を使用するためには、水道の存在が欠かせません。
そんな水道を社会に行き渡らせ、正常に機能させ続けるために活躍しているのが、水道工事を行うことができる 指定工事店です。指定工事店になる条件は、自治体によって厳しく定められていることが特徴です。
今回は、水道局指定工事店と非指定工事店の異なる点や、指定工事店の詳しい内容についてご紹介します。

水道局指定工事店と非指定工事店の違い

水道工事には、なぜ指定工事店という制度があるのでしょうか。
その理由は、水道が社会を維持するためのインフラであるという点にあります。
各家庭に引かれた給排水管は、都市の路面の下などに埋設された公共設備である水道本管と必ず繋がっています。 そのため、仮に水道本管と繋がっている水道管に衛生面を保てない材質や構造が用いられてしまうと、水道本管 を介して都市の広範囲で水道水の安全性が失われたり、不具合が出てしまったりすることになりかねません。水 は人が生きるために不可欠なものであり、それを届ける水道には常に正常に機能していることが求められます。
その重要性を鑑みて、工事に一定以上の水準と質を確保し続けるために、水道工事は水道法施工例の基準に沿っ て指定工事店が定められています。

では、非指定工事店とは一体何なのでしょうか。水道のトラブルなどに際して、水道そのものに関わらない部分 は、指定を受けていない工事店でも修繕などを行うことができます。具体的には蛇口やパッキン、トイレの便器 などの交換、管を交換する必要のない程度の軽い水漏れや詰まりなどです。指定工事店と非指定工事店には、対 応可能な施工について違いがあることを理解しておきましょう。

指定給水装置工事事業者とは

水道設備は、家庭に水を供給するための給水装置と、使い終えた水を排出するための排水設備に分かれています。 そして、工事の許可に関わる自治体からの指定も、給水と排水それぞれで分かれていることをしっかり認識して おきましょう。
指定給水装置工事事業者とは、水道事業者である自治体からその給水区域内において給水装置工事を問題なく行 えると判断された業者を指す言葉です。給水装置とは家庭に水を届けるための給水管と止水栓、水量などを図る ためのメーターボックスなどの総称であり、指定を受けた業者以外はこの工事を行うことができません。定めら れた基準を満たすことで、事業所の所在地がその給水区域内にない場合でも指定を受けることができます。 また、指定が有効な期間は 5 年になります。そのため、その期間ごとに再び指定を受け直す必要があると覚えて おきましょう。

指定排水設備工事事業者とは

給水装置に対し、生活用水などの用途で使い終えた水の排水に関わる工事を行うのが、指定排水設備工事事業者 です。
こちらも定義としては給水装置とほぼ同様であり、水道事業者である自治体からその給水区域内において、排水 設備工事を定められた水準を満たして行えると判断された業者が、指定を受けることができます。
排水設備とは排水管の他、雨水管や汚水ます、雨水ますなどが含まれており、建物から用途を終えた水を正常に 排出していくためにはこれらの設備の設置が欠かせません。給水と排水それぞれの指定は、悪質な業者による不 当な工事費の請求や基準を満たさない水道工事などを防ぐために自治体によって行われているものであり、水道 の品質と安全を保つため、公正な基準に沿う形で選定されています。
指定給水装置工事事業者と指定排水設備工事事業者は、いずれも自治体のホームページなどで確認することがで きます。

水道局指定工事店のみが作成できる書類

水道工事は自治体の管理下で行われるため、必ず申請書類を提出して工事の許可を得る必要があります。
また、申請に関する書類は指定工事店のみが作成可能であり、指定を受けていない業者が提出しようとしても受 理されず正式な工事を行えないというルールになっています。申請書類は、行われる工事の内容によって細かく 分かれており、提出しなければならない書類の内容や形式も全国の市町村ごとに異なっているのが特徴です。
例えば、水道工事のうち給水装置に関わる新設工事の場合は、給水装置新設工事申込書、給水装置新設工事施工 申請書、水道使用届や工事用材料検査申請書といった複数の書類が必要になります。上記に加えて、工事図面や 位置図なども提出する必要があるため、指定工事店にはこれらの書類や図面のうち必要なものを正確に把握し、 作成する能力が求められます。

一般住宅における給排水設備工事とは

新築の住宅を建てる際、水道を開設するための給排水設備工事は住民が生活を始める前に必要不可欠な工事です。 そのため、水道工事に携わる際は給排水設備の具体的な機能・役割について、正しい知識を身につけることが大 切です。
そこで今回は、一般住宅における給排水設備と工事内容について、詳しくご紹介させていただきます。水道工事 に携わっている方や給排水設備工事について知りたい方の参考になれば幸いです。

給排水設備ってなんのこと？

まず、給排水設備という言葉は、住宅のどのような設備を指しているのでしょうか。給水設備とは、一般住宅の 蛇口へ水を供給するための設備の総称であり、排水設備は使い終えた後の汚水などを排出するための設備の総称 です。給排水設備とひとくくりに呼ばれることが多いですが、工事や役所への届け出においては、この給水設備 と排水設備が別個に扱われています。
給排水設備は、都市に張り巡らされている上水道や下水道と必ず接続されており、その管を介して、水の供給と 排水が行われます。仮に、都市のインフラである水道と住宅の給排水設備を繋げる工事に不備があれば、広い範 囲に悪影響を及ぼしてしまうでしょう。そのため、水道本管と関わる給排水設備工事は非常に重要性が高いもの とされており、各自治体において細かな管理が行われています。
また、給排水設備工事を行えるのは指定工事店に認定された業者のみという点も知っておきたいポイントです。

■給水設備工事とは

給排水設備のうち、給水設備工事について詳しく見てみましょう。ここでは代表的なものをいくつかご紹介させ ていただきます。
まず、給水を行うために必須となるのが、道路の下にある上水道管から水を引き込む目的で設置される給水管で す。給水設備工事によって上水道管と給水管を接続し、蛇口などの給水用具から飲料水や生活用水が供給される ことになります。マンションなどの共同住宅の場合は、上水道から引き込まれた水を一時的に貯めておくための 貯水槽の設置工事が行われ、給水設備の 1 つとして活躍します。貯水槽には、地上や地下に設置されるタイプと 屋上に設置されるタイプが存在していますが、いずれも水を貯めておくという点に変わりはありません。また、 建物の構造によっては圧力をかけるという手段で水を運ぶケースがあり、その場合は加圧を目的とした給水ポン プの設置工事が行われます。
他にも、入浴や料理にお湯を使うための給湯設備、使用した水量を計測するメーターボックスなどの設置も快適 な日常生活を送るために欠かせない給水設備工事です。
給水設備工事には、水を供給するために欠かせない多種多様な工事が存在しているため、工事に携わる際は幅広 い知識と豊富な経験が必要になります。

排水設備工事とは

次に排水設備工事について、詳しく見てみましょう。私たちが日常生活を送っている中で、料理で利用した後の 水や入浴・トイレの後の水は汚れているため、このような汚水を自然に還してしまうと水源が汚染されてしまい ます。そんな事態を防ぐために、使用後の水を下水道へ送り、浄化を施してから自然に還すというのが排水設備 の目的です。
排水設備のうち最も代表的なものは、用途を終えた水を下水へ送るための経路として働く排水管です。排水管を 設置する際は、給水管の工事と同様に地面を掘削し、地中の水道管へ接続する工程が必要になります。また、給 水管や排水管の工事を行う際は、道路の下に通されている水道に接続する必要があるため、多くのケースで道路 の通行を止めなければなりません。通行を止めると交通の妨げになってしまうため、水道工事はスケジュール通 り円滑に進めることが求められます。
他にも、汚水を一時的に貯めておくための汚水ますや、雨水を下水に流すための雨水管・雨水ますの設置も、重 要な排水設備工事と言えるでしょう。

宅内工事と屋外工事

給排水設備工事には、宅内工事と屋外工事という区分が存在しています。
給水設備工事における宅内工事は、水道メーターから蛇口までの部分にあたる工事を指しており、排水設備工事 の場合は屋内の排水口などから屋外の配水管までの部分を指しています。また、屋外工事は公共の水道管と接続 するための上記以外の範囲の水道管工事を指しており、それぞれで行われる工事内容は異なっていると認識して おきましょう。
宅内工事については、水漏れや蛇口の修理・交換など、指定業者以外でも取り扱い可能なケースもありますが、 屋外で行われる水道管に干渉する工事は指定業者のみが取り扱えます。